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池田町屋 / 多治見市の古郷

2015 初午祭 / おためし神事

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 初午は、『お稲荷さん』、つまり各地域の稲荷神社で商売繁盛・開運など祈願するお祭り。
稲荷神社の総本社は京都伏見稲荷だが、
平安時代の「今昔物語」「枕草子」などに記載が見られる程に伝統ある地域のお祭りだ。

 僕たち多治見/池田の初午も1年1回、昭和の頃は2月だと認識しているが
平成の今は3月に祭りが行われている。
昔は、多治見は無論、東濃、山を越え愛知からも参拝客が押し寄せた「池田のお稲荷さん」。

現前畑町から旧14号トンネルまで、中央線と今は無き古川(昭和一桁生まれの地元の子供たちは三日月湖と呼んでいた)に挟まれた参道に30もの屋台が並び、人の絶えることが無かったという。
広場では大道芸もでたりと、お祭りに相応しい賑わいを見せていた。

 神楽・獅子は継続し昭和期にも出ていたこと覚えている。
その明治には神輿もでていたようだが、明治35年に廃されたという。
 花火も打ち上げられ、特に明治40年代は代名詞ともいえる【山登竜】を中心に
近郷でも随一の花火が打ち上げられていたようである。

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写真で見る多治見より

 僕が学生時の昭和40~50年代は、前畑側の古川は埋立後であり、し尿処理場に姿を変えていた。
実質参道が消滅したため、前畑側を利用する人はめっきり減った。
 ただし、池田側の参道は健在。
石灯籠入口手前から神社周辺はびっしり露店が立ち並び、人がひしめきあっていた。
子供は家族にお小遣いをもらい、朝早くから参拝客の隙間をくぐり抜け夕方まで遊び呆けていた。

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 現在人が居なくなった。
減ったのでなく、人が居ない。
露店も僅か5軒。
露店出店は嬉しく有難い。

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単純に人が居なくなっただけなのだろうか?
地元を離れていた僕には、偉そうに語ることはできない。
ただ、閉鎖的な池田原住民と新しく池田に転居された方々との温度差は強く感じる。

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 一つだけ発言が許されるなら、
本命視されていた明治期の多治見駅設置の機会逸脱と同様な事を繰り返すことなく、
他にない池田が持つ文化ポテンシャルを少しでも多くの人に知って頂くことが、大事だと認識する。

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 初午が一番人を呼ぶ時は「餅投げ」である。
15時過ぎると人が一気に坂を登りはじめ、広場には多くの人が集まる。
それでも昭和期に比べ激減してはいるが、往時を偲ぶことができる瞬間である。
「餅投げ」に供されるお餅は、地元企業を中心に並び、本厄を迎える年男が投げる。
袋一杯になったお餅を下げ、帰途に就く人々は笑顔一杯になる。

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僕の祖母は明治末期生まれだが、
夜明けとともに目を覚まし、家内の仏神・離れの神はもちろん、市天然記念物指定・エノキ下にある弘法様も毎朝拝んでいた。
常夜灯界隈に住む明治世代の老母達の多くは、同様な朝を迎えた。
初午は正装し、連れだって参拝していた姿を思い出す。

池田眞徳稲荷神社は、明治に中央線工事のため現在地に移転しているが(後日別記)、
今も信仰を伝承する貴重な祭事があるので紹介したい。

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江戸期の風俗を人形により神易(神のお告げ)された【おためし神事】。
明治期より行われているこの神事は、
信州戸隠神社の神易を受けたものであり、
年度の天候・米作・養蚕・製茶の出来具合を人形・米俵の数で表わしたものである。

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注目すべきは養蚕の人形だ。
実際に、昭和初期まで多くの家庭では米作の傍ら、家に炉を設け屋根裏でお蚕を飼い、
桑園を設け桑を栽培していた。
事実、僕が住む大正末期築の畳を外すと炉が2つ、屋根裏には名残りの養蚕道具・生糸が残る。
当時、自由民権運動に参加・活躍した村長・小池勇が
池田町屋の村民は殖産の一つとして養蚕を奨励し、各戸厳密に記録管理させていたようである。
我が家にも当時の養蚕日誌があるため、様子が窺い知れる。
そのため、養蚕人形は非常に興味深く見ていただけるかと思う。
 余談だが、幼少時、我が家に桑の木がわずか残っていた。
それについたお蚕は、乳白でなくクリームかかった薄茶系のお蚕だったと記憶している。

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